事業承継の基礎知識~後継者へのスムーズなバトンタッチのために~
「そろそろ次の世代に引き継ぎを…」と、心のどこかで感じていらっしゃる経営者さまも多いのではないでしょうか。事業承継は、企業の未来をつくるとても大切なテーマです。しかし、すぐに答えが出るものではなく、何から始めればよいのか迷ってしまう方も少なくありません。
帝国データバンクの調査では、全国の企業のうち52.1%が後継者未定とのこと。少しずつ改善はしているものの、まだまだ多くの企業さまで課題を抱えていらっしゃるのが現状です。
でもご安心ください。早めに準備を進めていくことで、事業承継は必ずスムーズに進めることができます。本日はその第一歩として、基本的なポイントをわかりやすくご紹介いたします。
事業承継には、主に3つの方法があります。それぞれにメリット・注意点がありますので、じっくり比較してみましょう。
ご子息やご親族へ引き継ぐ、いわば「王道」のスタイルです。企業の想いや理念が自然と引き継がれやすく、従業員や取引先からの信頼も得やすい傾向があります。
ただし、経営に対する意欲や適性、そして相続税など税負担への配慮も大切なポイントです。
役員や幹部社員など、社内の方に引き継ぐ方法です。現場をよく理解しており、従業員からの信頼も厚いケースが多いのが特徴です。
課題となりやすいのは「株式の取得資金」や「金融機関からの個人保証」。計画的な対応が求められます。
外部の企業などに会社を引き継ぐ方法です。後継者が身近にいない場合でも選択肢が広がり、売却益を得られることもあります。
一方で、自社の文化や従業員の雇用がどうなるかといった点も、慎重な検討が必要になります。
「事業承継=引退間際の話」と思われがちですが、実は、数年単位で準備を進めていくのが理想的です。
まずは、自社の強みや課題、財務状況、株主構成などを整理してみましょう。専門家のサポートを受けることで、より客観的に把握できます。
親族であっても従業員であっても、いきなり経営者になるのは大きなハードルです。営業・製造・経理など、様々な部門での経験や、他社での修業も良い刺激になります。
経営基盤を整えることで、承継後も安心してバトンを渡すことができます。赤字事業の整理や、主要取引先との関係強化、社内管理体制の整備も重要な準備の一つです。
事業承継には、相続税や贈与税といった税金の問題もついて回ります。「せっかく築いた会社や資産が、税金で目減りしてしまう…」とご不安な方も多いと思います。
事業承継では、株式の譲渡契約、代表者の登記変更、許認可の名義変更など、多岐にわたる手続きが必要になります。
特に注意が必要なのが「個人保証」の問題です。金融機関との調整が必要な場面もありますので、事前にしっかりご相談いただくことをおすすめいたします。
事業承継を成功させるために一番大切なのは、関係者全員が安心して納得できる形をつくること。後継者だけでなく、従業員さまやお取引先の皆さまにも配慮した承継計画を心がけましょう。
また、承継の「タイミング」も大事なポイントです。業績が安定しているときにバトンを渡せば、後継者の船出もスムーズになりますし、現社長さまが元気なうちに引き継ぐことで、柔軟なサポートも可能になります。
事業承継は、税務・法務・経営のすべてが関わる総合的なプロジェクトです。当事務所では、信頼できる弁護士・司法書士・中小企業診断士などと連携し、ワンストップでのご支援を行っております。
たとえば…
そして、税務全般は私たち税理士がしっかりとサポートいたします。
あちこちの専門家を探し回らずに済み、経営者さまのご負担も大きく軽減されます。
事業承継は、「会社の未来」と「ご家族の未来」を左右する、経営者さまにとって最も大切な決断のひとつです。
「まだ早いかな」と感じている今こそが、実はベストなタイミングかもしれません。どんな小さなことでも構いませんので、ぜひ一度、お気軽にご相談ください。
ご一緒に、御社のこれからと、次世代への確実な引き継ぎを、心を込めてサポートさせていただきます。